ライフプランの考え方とは

ライフプラン

ライフプランって何?

 「ライフプラン」とは何か、改めて聞かれるとどんなものか表現はしづらいですが、要は将来の目標や希望を達成するための人生全体にわたる計画や戦略の事です。FPの中心的な業務は、これをより具体的に仕事にかかる収入から日々の生活やイベントによってかかる費用等を差し引き、計数化して数字に落とし込んでお客さんの生活設計を行っていくことにあります。それをシミュレーション化したものがライフプラン表と呼ばれます。

 法人でも、日々の収入、支出を計算して支払いが滞らないように、資金にある程度の余裕を持たせるよう資金繰り計画をしますよね?多くのお客さんと相談をしている中で感じるのは、大なり小なり将来にかかる費用、例えば教育費や、収入が年金だけとなる老後の費用の負担に不安を抱えて生活をしているということです。

 希望を詰め込みすぎた結果、破綻してしまうライフプランとなる人や、不安を抱えているからこそ、理由はないけど貯蓄を出来る限りためて安心したいという方も多い印象です。

ライフプランを作る理由は節約のためだけではない

 ところで、雑誌で載っているようなFPの記事って見たことありますか?FPは業務分野は幅が広いので、年金の試算や住宅ローン金額の適否、保険比較、運用等、幅広く記事を書いている印象です。その中で私が一番よく見かけるのは家計診断です。あれに載っている記事は多くの場合、収入が多くても少なくても、支出コントロールができていないために生計破綻している家庭がモデルケースとして選ばれていると思います。

 もちろん、最優先に救済するべき対象としてそれがあげられるのですが、その逆の提案をすることもあります。要するにもっとお金を使って生活を楽しんでも大丈夫だよ、もしくは運用に回しても大丈夫だよ、ということですね。医者の先生とライフプラン相談を行った際に、「FPって節約節約ばっかり言ってくる人だと思っていたよ。」といわれ、そういう風にみられているんだなぁと初めて実感しました。メディアの影響はやっぱり大きいですね。

 それぞれの家庭で実現したい夢(ライフプラン)は実に様々で、住宅購入一つをとっても、家のローンを繰り上げ返済を繰り返して出来る限りはやく完済したい家庭や、住宅ローンは低金利かつ住宅ローン控除があるため借りれるだけ借りて、手元のお金を運用に回して資産形成したいという家庭、家なんて生涯賃貸でいいという家庭、勤続中は社宅を使えるから退職までにお金をためて一括で買いたいか家庭等々。この一つにおいても住宅購入に必要な金額はためる必要がありますが、それ以上にリスクに備えてお金を貯めている家庭も多く見受けられます。手元にお金を確保しておかないと不安なのです。

 そのような家庭には作成してライフプランの数字をもって数十年後にはこれだけためられる想定だよ、これだけ手元にあれば運用に回していきましょう、等アドバイスをしてあげると、思ったより節約しないで済みそうだぞ、これなら住宅にかけるお金をもう少し増やしてもいいな、車も買ってもいいかもしれない。生活の夢を膨らませることができます。正直、お金に余裕があるなら多くの人は、勤務先に近くて便利でおしゃれな家に住みたいと思いますよね、都心の場合は車も絶対必要ではないかもしれませんが、便利だからあるにはこしたことはないですよね。

 年金を主として社会保障については詳しく知らないかたがほとんどなので、これを試算してあげるだけでも多くの方に聞いてよかったと喜ばれます。もちろん試算でかつ、現行制度が続けばという内容のため、現行制度の議論をお伝えしたり、適宜内容の見直しが必要にはなりますが。

ライフプランの作成には幅広い知識が必要

 とはいってもこれを全て計算していくには様々な知識が必要となるため、自助努力で行うには自分で勉強をするか、最近は自分でライフプランシミュレーションができるシステムを公開しているサイトもありますが、それで自分で試算をしていくしかありません。シミュレーションソフトは高性能でよいとは思うのですが、その前提の数字がどこからきているのか、自分に当てはめていけるかまで到達する人はまずいないと思います。ここにFPの価値があるわけです。

 FPの試験分野はライフプランニング(年金)、リスクマネジメント(保険)、資産運用、税金、不動産、相続・事業承継ですから、まさにこれを想定しているわけですね。

ライフプランは定期的に見直しをしていくことがベスト!

 ライフプランの作成にはFPの知識が問われるだけでなく、お客さんにも将来どうしたいのか、どのタイミングで家や車を買うのか、子供の出産をいつ頃に想定するのか、現在の家計の支出や運用、保険等の状況はどうなっているのかといった検討や状況の把握が必要となりますので一定の負担がかかります。これがまともにできない場合は有効なライフプランは作成できないでしょう。無料のFP保険相談は良くも悪くも、保険の検討をしたいというニーズを拾って成り立っているため、ライフプランまで考えがついていないケースが多いです。お伝えするとそこまでやってみたいという方ももちろん多いですが。

 逆にいえば、一度作成しまえばあとは自分の生活スタイルに合わせたライフプラン表となりますので、生活に大きな変化がない限りはそこまで意識をしなくても、ある程度はライフプラン表のとおりに進んでいくでしょう。通常ライフプラン表には夫婦もしくは片方に万が一があってしまった際の生活設計も載りますので、何もなければ払損として嫌いな人もいるかもしれませんがここで保険が生活設計に大きくインパクトを与えるほどに機能がしてきます。

 ただし、あくまで作ったライフプランは現状考えられる状況が続けばという過程になりますので、必要に応じて修正が必要になります。例えば年金の支給が70歳からになってしまった、考えが変わって子供がもう一人欲しくなった、会社の給与体系が変わって予定していた収入が減ってしまった等。これらに対応していくにはライフプランを適宜修正していくことが望ましいわけですが、そう何度も何度も修正をしていく必要まではないと思います。そんなことしていたらお客さんは疲れちゃいますしね。大きな変化がない限りは年に1度、そのタイミングで状況確認すれば十分だと思います。おっくうでしたら2~3年に1度でもいいかもしれません。

 ただ、こちらの記事でも挙げた通り、これをFP無料相談で求めるのはなかなか難しいかもしれません。保険の相談を前提としている相談なので、担当者にもよりますが、お客さん側にもFP側にも準備が整っていない可能性が高いです。それが懸念となるようであれば適正な金額を対価に相談に乗っているFPか、無料相談をしているFPに直接依頼をかけた方がまともに相談しやすいと思います。もちろんその場合には、保険の必要性を感じるようであれば検討してあげてください。

次回以降の記事ではモデルケースでFP相談を行った場合を年金やら不動産、保険、運用等々の点から考えてみたいと思います。

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