不動産業者から紹介されるFPについて
住宅購入を検討する際は皆さんどのような場所に行かれるでしょうか。まずはネットで調べてみて、新築マンションがよければ気に入った地域近辺の新築マンションを探すかもしれませんね。戸建てを希望の場合はハウスメーカーを検討しに住宅展示場に行かれることもあると思います。自分たちの予算感やマンション、土地、住宅の価格を照らし合わせながらどんな家がいいか考えて行くと思います。
実際にお気に入りのマンションやハウスメーカーが見つかれば、より具体的に検討段階に入ると思いますがそこで気になるのはやっぱり価格ですよね。いざ購入検討段階になると足踏みする方がほとんどかと思います。多くの場合は人生で一番高い買い物ですから、慎重にならざるを得ないでしょう。そんな時に不動産業者から提案されることがあります。「提携しているFPに無料で相談してみませんか。」と。
さて、このような場合に一度シミュレーションを見てみたいと依頼を受ける場合も多いと思いますが、業者側やFP側の思惑はどのようなものでしょうか。ここではそこについて考えて行きたいと思います。
業者側の思惑
引く手数多の物件であれば別のお客様に紹介してしまえばそれで終わりですが必ずしもそうではない場合、または買い手自体はつくとしても集客に時間がかかりそうな場合など、これは当たり前ですが業者としてみれば住宅の購入につなげたいわけです。
お客さんに予算感的には問題ないと安心感を与えてほしいというのが第一である一方、お客さんが計画している予算感と住宅の相場観がずれている場合、実際の住宅価格の金額までローンを組んでも問題ないと思ってもらいたいという場合もあります。その場合、試算したライフプランが前提とはなりますがFP側に対して、できればその金額まで買っても問題ないというお墨付きが欲しいと要望を出す場合もあります。それをFP側が人間はなるべく要望に応えるように検討する場合もあれば、きっぱり断る場合もあります。ただし、そういうFPには案件を振らないようにしていくとしたら、やはり業者の要望はある程度受け入れなければならない事情が出てきます。
FP側の思惑
今度はFP側はどうでしょう。一般的に住宅購入のタイミングでは家計にとって大きな変化となりますので、現状の生活設計の修正が必要となったり、将来について真剣に考えて行く機会となります。そのようなタイミングでお客さんのライフプランを作成して、住宅以外の部分でも必要な修正や、足りない部分があれば運用、保険の案内や既存の契約があれば見直しの提案もできるようになります。FP側にとっても住宅購入のタイミングのお客さんのライフプラン作成をメリットがあるわけです。
以上のように双方にとってメリットがあるからこそ、無料でライフプランを作成をサービスとして行うことができるわけですが、住宅購入を検討していた側からした時にどうでしょうか。
住宅検討者のメリットとデメリット
メリットとしては住宅購入を検討するにあたって、ローンを組む際のライフプランを無料で作成してもらえるということでその物件もしくは同業他社の物件を購入した場合の将来設計をができるようになりますし、購入にあたって必要な修正があればそれを教えてもらうこともできます。保険や運用の見直しについて、住宅購入のタイミングで見直しをしてもいいと思っていた人にとっては、それもメリットになると思います。
これはFP側の経歴にもよってしまいますが、住宅ローンに詳しいFPであれば住宅ローンの審査についてや変動金利・固定金利にすべきか等の質問もぶつけられるでしょう。私は銀行出身なので、審査や金利等の質問にはある程度答えられますが、実務を経験したことがないFPであれば一般的な回答しかできないと思います。逆に不動産業者出身のFPであれば住宅の良しあしなんかは答えてくれるかもしれませんね。
デメリットとしては、やはりFPが完全な中立な立場ではないということです。不動産業者からお客さんの紹介を受ける以上、仮に住宅購入の資金計画に無理があってもこんな物件は買えないよ、とは言えないわけですね。もちろん生活費や固定費の修正等で足りる場合であればそういった案内になると思いますが、そもそも住宅資金計画が厳しい場合でも買えませんとは言わないでしょう。
中立な立場からのFP相談をしたい場合
でも住宅という一番大きな買い物ですから、自分で全て計算できてしまうような人であればともかく、FPにライフプランを作成してもらえるならしてみたい!というのが人情とかもしれません。その場合は住宅業者の紹介ではない第三者の立場のFPに相談してみていください。
ライフプランの作成や住宅購入相談だけはしたいけれど、それ以外に案内してほしくない場合、費用はかかってしまいますが、代理店業務に携わっていない有料のFP相談を設けている方に相談をした方がいいと思います。ライフプランの設計にあたって運用や保険等の商品の見直し・案内を含めて提案を受けてもいいという方であれば、身近なFP相談をしている人間に相談するとよいかと思います。
ちなみに運用や保険の代理業務に携わっていないFPのメリットとしてはやはり忖度がないことが挙げられると思いますが、その一方で具体的な商品の知識が得られません。そのため、具体的な商品の内容の相談は出来ないと考えられます。一長一短はありますが、どちらにせよ不動産業者からの紹介ではないという点では不動産購入の資金計画に対しては忖度のない相談が出来るという点では大きくメリットがあります。
終わりに
今回は住宅購入時のFP相談について綴っていきましたが、購入者側としてはFP相談を受けられるメリットがあります。どのFPがいいかについては最終的には人と人ですから、この人なら信頼できそうだ、話が合いそうだと思えるFPを選んでもらえるといいかと思います。
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