運用・住宅購入・保険、何から考えればいいの?

ライフプラン

ライフプランについて 

 基本的にこのブログではFP相談にまつわる運用・住宅・保険についての記事を書いていきたいと思い、時間があるときにつらつら書いているのですが、結婚して、家族が出来て、と将来を真剣に考えることが多くなった結果、何から手を付けて行けばいいかわからないなんて相談が来ることがあります。

 私自身は職業柄どれもある程度の知識を身についていると自負しているのですが、全くの他業種、金融にも不動産にも精通してない人間は1から考えて行かなきゃいけないでしょうから何から調べ出せばいいかわかりませんよね。

 住宅購入であれば、どれくらい頭金が必要なのか、諸費用はいくらかかるのか、そもそも住宅ローンの審査は通るのか。ローンが通ったとして、自分たちの生活はそれで問題ないのか。

 保険であれば、生命保険はどれくらいの保険金額をかけておけばいいのか、社会保障はどれだけ保障してくれているのか、無理な支払い保険料になっていないか。

 運用であれば、最近ではNISAやiDeCoが流行っていますから、NISA、iDeCoの何がいいのか。損をしないのか。そもそも運用はした方がいいのか、保険の積立とは何が違うのか、等々。考えるといくらでも出てきそうですね。

 加えるなら、例えばiDeCoの受取時の税金処理の方法、ご存じでしょうか。結構セミナーで所得減税とか運用益非課税とかメリットはよく聞きますが、そこまで詳しく突っ込んでいるのものはあまり聞いたことがありません。保険についても同様ですが、受取時の利益はかかる税金はどれくらいでしょうか。住宅であれば、住宅取得後にかかる税金はどんなものがあるのか、どれくらいになるのか。1から考え始めた時にここまで考える人は少ないと思います。お話しをしていて、ここまで述べたものに税金がかかると思っていなかった方も多い印象です。

 それでは、結局どうしたらいいの?と思うかもしれませんが、このような場合、大事なのは、自分もしくは家族の将来の生活をどのように考えていきたいかであって、理想と思い描く将来の生活を考えて欲しいと思います。それを元にどこにお金が必要かを考えてライフプランを設計していきましょうと個人的にはお伝えしてます。要するに日々の生活の目的や目標が何か、何を理想としているのかですね。それでは例を挙げてパターン化して考えて行きましょう。

子供にできる限り教育を充実させてあげたい家庭の場合

 このようなご家庭はイメージ的には旦那さんか奥さんもしくは両方とも子供のころからの私立出身のケースが多いですね。自分も教育にお金を使ってもらったのだから、子供にも同じようにしてあげたいという親心もあるでしょうし、正直公立はなんとなく治安が悪そうとか、通ったことがないからこそのイメージもあるのかもしれせん。

 このような家庭の場合はある程度の収入がある上で検討していることも多いですから、無理ではないかもしれませんが、それなりの収入が求められるでしょうし、もし専業主婦家庭ともなれば世帯主にはかなりの収入が求められます。

 このような場合は子供にかかる優先順位が最も高い教育費を計算したうえで、住宅・保険・運用を考えて行くべきだと考えられます。これは収入が高い家庭も同様で、収入が高いなりに住宅もある程度の費用をかけていきたいでしょうから、そこをまず固めていくことが必要となります。その上での優先順位としては1.住宅、2.保険、3運用だと個人的には考えています。

 1に住宅を考える理由としては教育費が固まったところで、保険、運用に手を出してから住宅をと考えた場合、住宅にかける予算が想定よりも圧縮されてしまう可能性があるからです。とはいっても教育費、生活費を計算したうえで余った予算のほとんどを住宅に費やしてしまうのはNGです。それ以外の将来設計が成り立たなくなりますし、何より何かしらで現在の生活に変更が生じた場合、例えば大きな病気にかかってしまい収入が半減したり、転職をした、会社の業績が赤字でボーナスが無くなってしまった等の際にすぐに赤字に転落してしまうからです。

 2に考えるべきは生命保険ですね。万が一の際や、いわゆる就労不能状態や治療に時間がかかる状況となり収入が途絶えてしまった際に、教育に拘っていた家庭が子供の教育を諦められますでしょうか。大学入学まで育て上げれば、奨学金を使って子供に大学まではいかせてあげられるかもしれませんが、それ以前の段階では教育については諦めてもらうしかない状況が場合によっては出てきます。

 ローン債務者が亡くなってしまうような状況であればローン返済は亡くなりますし、十分とは言えませんが遺族年金の支給対象にはなるので生活自体はしていけなくないかもしれません。ただ、その状況では教育費に大きな金額はかけられなくなりますね。

 また、亡くなるまではいかずとも就労不能状態であれば、依然として住宅ローンの返済は残り続けます。住宅ローンの団体信用生命保険の中には8大疾病保障なんて謳っているものもありますが、約款やパンフレットをよく読んでみてください。かなりの状態でなければ適用されませんのが見てわかると思います。最近では共働き世帯も多いですからダブルローンの世帯も多いですが、その場合は、亡くなってしまった方はローン返済が免除になりますが、片方は残り続けます。

 3として運用となりますが、ここまで考えたうえで初めて運用に目を向けられると思っています。積立NISA,iDeco、いずれも内容としては悪くないもので、長期の運用であれば一般的にはリスクは収束していきますから、やるべきかやらないべきかと問われた場合にはもちろんやった方よいと思います。(大企業のサラリーマンについてはiDeCoはあまりお勧めしませんが…)

 運用である以上、一定のリスクは必ず必要となりますが、特に老後の生活設計を考えた時には、積立の時間と運用の利回りが資産形成を助けてくれますから、一定の金額は将来のための積み立てとして考えておいた方がいいでしょう、というかやるべきです。ただし、ここは住宅、や保険をしっかり検討したうえで初めて手を出せるものだと思います。ただし、次のような家庭であれば運用が1番でもいいかもしれません。

子供を作る予定はなく、将来は海外へ移住したい。FIREで早期の退職を目指したい。

 このような家庭の場合、子供にかかる教育費を考える必要はなく、また定住も視野に入れていない場合には住宅の検討もあまり必要がありません。資産形成として買う分にはいいかもしれませんが、それも将来売却を前提としてになりますので、ライフプランの考慮にはそこまで比重をかける必要はないでしょう。それでは保険はどうでしょうか。ある程度保障があれば大丈夫そうですね、専業主婦家庭であれば自分が亡くなってしまった際に配偶者への生活資金としてある程度残してあげると愛情を表現できるかもしれません。ですが子供がいなければ背負うものも少なく、持ち家があれば住宅は残りますし、就労不能でローンが残ってしまうもしくは住宅がなければ最悪売却や転居して生活水準に合わせて暮らしていけば足りそうです。

 そうなった場合には家族の夢である将来の海外移住、FIREをかなえるために運用を第一順位に考えてもいいのではないでしょうか。このような場合では運用に資金が多く回っている形になるので、ある程度の死亡保障や、不測の状況変化に備えての資金調達としての医療保障はあってもいいかもしれませんが。

 一般的に家庭の日常があれば満足できる場合

 私の中のイメージとしては、クレヨンしんちゃんの野原家のイメージなんですが、子供が二人いて、あまり贅沢はしないけど、不自由なく暮らしてきたい。こんな家庭をイメージしている人はどうでしょうか。個人的には自分の家庭の理想のイメージに近いのがこちらですが、こんな家庭が一番多いのではないでしょうか。

 その場合には何を優先していくかですが、その中でも、①住宅だけは重視したい、②家族の生活安定が1番、③なるべく将来が不安なのでお金を貯めたい。の3択があったとしたらどれを選びますでしょうか。

 人それぞれ違いますし、個人的には2か3ですが、どれを選んだとしても、まずは保険から検討した方がいいと思います。保険で考えられるリスクから生活を安定させたうえで、将来になるべくお金を回したいのであれば運用、住宅にお金をかけたいのであれば、住宅購入予算の検討とするのがよいと思います。

終わりに

 ここまで優先順位なんてお話しで書いていきましたが、正直これらは複合的に混じりあっていますので、極論をいってしまうと個別に一つずつ考えていって次は保険!次は運用!としてしまうのはトータルのバランスを考えた時の最適解とはなりえません。

 結婚、出産、住宅購入検討等、きっかけができたタイミングで住宅の予算や保険、運用の見直しを考えていくべきでしょう。その際に役立つのがライフプランの設計となります。特に修正が効きづらいのは住宅購入で、購入した後に資金繰りが厳しいですは軌道修正が難しくなります。

 ちなみにこれらの資金配分は収入が多く資金配分なんか考えなくていけるでしょ、という家庭もあるかもしれませんが、収入が高い方は高いなりの、税金が高くて手取りは思ったほどではない、育児手当が出ない、周囲からの同調圧力で生活費が思うように落とせない等の不安や悩みがあります。

 これらを検討するうえでは自分達の生活スタイルから優先順位を考えて、必要に応じてライフプランの設計をして将来設計を考えて行きましょう。

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