戸建て住宅(注文・分譲)の維持費(ランニングコスト)は?シミュレーション!

住宅

 以前の記事ではマンションについての維持費について考えていきました。では、戸建ての住宅ではいかがでしょうか。

マンションほど維持費はかからない

 結論から言うと、マンションほどは維持費は掛からないといわれています。なぜなら、マンションに必要な管理費(分譲住宅の場合はかかるケースがある)、修繕積立金が必要ないからです。とはいっても、管理費はともかく修繕積立金については、本来必要な修繕を計画的に積立をしないことになるので、外装や屋根等の住宅の外観をメンテンナンスする必要があり、リフォームの際に費用が発生することになります。また、前提条件を挙げて計算をしてみましょう。

  • 70㎡~90㎡の木造、戸建て住宅
  • 購入金額7,000万円(土地4,000万円、住宅3,000万円)
  • 認定長期優良住宅ではない
  • 固定資産税の計算の基礎となる固定資産税評価額は土地は売買価格の7割、建物は4割と想定

 こちらで考えて行きましょう。前提条件の設定方法については上記リンクのマンション記事と同様となりますので見てみてください。マンションは建物金額が大きくなりますが、戸建てについては都市部では土地代がおおきくなります。地方の場合も土地代はそれほど大きくはならないケースも考えられますが、都市部での想定で計算していきます。

それぞれの維持費をシミュレーション

 それでは個別の維持費を見ていきましょう。ここでマンションと違って大きいのがやはり、管理費・修繕積立金が発生しないことです。これだけで維持費という点では大きくランニングコストを抑えられます。それ以外の費用を見ていきましょう。

固定資産税・都市計画税

 ここで計算していく固定資産税・都市計画税についてはマンションの記事と同様、通常であれば

 固定資産税=1.4%

 都市計画税=0.3%

となり、そのまま計算すると、

 土地の購入金額4,400万円×70%、建物の購入金額4,000万円×40%=固定資産税評価額4,680万円

 固定資産税評価額4,680万円×固定資産・都市計画税計1.7%=79.56万円

 となり非常に大きな金額ですが、これについてはマンションの計算と同様、200㎡以下の小規模宅地の固定資産税は1/6、都市計画税については1/3としてくれるため実際には

 土地固定資産税=購入価格4,000万×70%×1.4%×1/6=65,333円

 土地都市計画税=購入価格4,000万×70%×0.3%×1/3=28,000円

 となります。建物も同様に計算していきますが、マンションの場合と違うのは建物です。建物の固定資産税については、新築の場合1/2の軽減税率が認められていますが、新築から3年間となっています。ここはマンションの方が優遇されている部分ですね。これを計算していくと

 建物固定資産税=3,000万円×40%×1.4%×1/2=84,000円

 建物都市計画税=3,000万円×40%×0.3%   = 36,000円

 となりました。これらを全て足していくと、21.3万円/年、月額計算では1.8万円ですね。これくらいは購入時には頭に入れておくとよいかもしれません。

 

火災保険

 火災保険については、マンションより大きな金額が必要となります。マンションの場合は専有部分だけ保険があればよかったのですが、戸建て住宅の場合は、外装含めて全て自分で保険をかけていかなければいきません。

 火災保険、地震保険では造りの頑丈さで料率を計算していますので、マンション構造はもちろん頑丈な造りで保険料は安く設定されますが、戸建てではそのような評価はできません。鉄骨造りであったり、耐火(準耐火)建築物となるような建物であれば、耐火構造の建物として料率がよくなりますが、ここでは純粋な木造として計算していきます。具体的に試算をした結果では、都市部の場合ではざっくりですが5年間で30~35万円となりました。月額では6~7万円ほどになります。マンションの火災保険と比べると3倍近いですね。

 また、築年数に応じて、火災保険の料率が上がっていきますが、マンションの値上がり以上に戸建ての住宅は大きくなります。近年の自然災害の影響により戸建ての住宅の被害が多くなっており、築古ほど損害率が大きいためです。マンション同様、地震保険は都市部が高く、火災保険は自然災害の多い地区、例えば九州地区は高く設定されているのですが、築浅の頃は都市部が高く、築古になっていくと自然災害発生地区の金額がかなり大きくなっていきます。

 なお、先に挙げたような耐火(準耐火)建築物であったり、地震に強いと評価を受けている、耐震等級2~3であったり、免震建築物の評価を受けている場合はもう少し抑えていけますので、購入を県としている住宅がどのような建物なのか、確認しておくとよいでしょう。

 

 

リフォーム代

 こちらについてはマンションの時と同様、別記事にて記載していこうと思いますが、修繕積立金がない以上、基本的には全て自分で負担していく必要があります。内装についてはマンションと大きく変わりはありませんが、外装の劣化や破壊されてしまった場合などは自分で備えていく必要がありますので、マンションより費用負担が大きくなります。

戸建て住宅の維持費をシミュレーション

 最後にマンション同様、それぞれの維持費をまとめていきましょう。

 管理費0円+修繕費0円+固定資産・都市計画税21.3万円+火災保険6.5万円/年=27.8万円

 となりました。月計算では2.3万円ほどになりますね。ここで大きいのはやはり、管理費・修繕積立金の存在です。これがないだけで維持費は大きく変わってきます。その他、固定資産税についてはマンションより早く住宅の軽減がなくなりますので、4年目以降は全額負担となります。ただし、戸建ての住宅についてはマンションより経年による固定資産税の減価が早いです。経年減価補正率表で確認すると、木造戸建ての場合は4年目では固定資産税評価が67%となりますので、それだけ、固定資産税も減額されます。最も、それだけ劣化も早いことの裏返しになりますので、長く住み続けていくためには戸建てにはそれだけのメンテナンスが必要となるのですが。

終わりに

 今回は戸建ての場合の維持費をシミュレーションしていきましたが、いかがでしたでしょうか。ランニングコストではマンションよりも金額が抑えられるとことがわかりましたが、それは管理費・修繕積立金がないからでした。ただ、建物の維持コストが別にかかることや、火災保険、固定資産税の評価から、建物の劣化が早いこともわかりましたね。そうなってくると次に気になるのはリフォーム費用はどの程度準備しておけばいいのか気になりますね。こちらについては別記事であげていきたいと思います。

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