子供一人の教育費の総額はどれくらい?
以前、こちらの記事でお伝えした通り、ライフプランを考えるうえで3大支出があることはお伝えしましたが、ここでは教育費についてどれくらいかかるものなのか、考えていきたいと思います。一般的には子供1人分の教育費の総額は1,000万~3,000万円ほどと言われています。
かなり幅があるように思いますが、実際公立、私立、また塾に費用をかける家庭、かけない家庭で大きな差が出てきてしまうのでしょうがないかと思います。まずは小学校の入学前にかかる幼稚園・保育園の教育費を見ていきましょう。
まずは、年齢別でかかる費用を見ていきましょう。参考にするデータとしては文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について」を使っていきます。
幼稚園・保育園(3歳~5歳)
まず幼稚園と保育園の違いはなんでしょうか。ここでは本筋から外れるので詳細は割愛しますが、専業主婦家庭は幼稚園、共働き世帯は保育園に通わせることが多いですね。それぞれ、標準保育時間が幼稚園は4時間、保育園は8時間と決まっており、共働き世帯には幼稚園は難しいためでしょう。
幼稚園
内閣府のHPにあるように基本的には公立、私立問わず、全額無償となります。一部の通園送迎費や給食費、行事費、日用品・文房具費などは無償化の対象外となりますが、多くの費用はかかりません。・・・というのは建前で、助成上限金額が2.57万円/月と決まっており、公立であればそこまで問題はありませんが、私立は上限を超えた金額はやはり負担が必要となります。
保育園
認可保育園については上限の設定がなく、一部の費用を除いて上限の定めがなく無償となります。素晴らしい制度ですね!ただし、認可外保育園については上限が設けられており、3.7万円/月を超える分については負担が必要となります。
私立幼稚園や認可外保育園にかかる費用って・・・?
公立の幼稚園や認可保育園に入れればよいですが、私立幼稚園に行かせたいという希望や、保育園に関してはそもそも施設不足が叫ばれており、入れても認可外保育園になる可能性も高いです。そうなると気になるのはその場合にどれくらいの費用がかかるかでしょう。まずは、上記の文部科学省データから、幼稚園費用を見ていきます。
公立幼稚園:3年間費用総額=約47.2万円 約1.3万円/月(入学金含めた費用負担)
私立幼稚園:3年間費用総額=約92.4万円 約2.5万円/月(同上)
文部科学省のデータでは平成30年度と比べて学校教育費が激減してますから、これは無償化の影響を受けたといえるでしょう。その上で平均これくらいの費用負担はかかるものだと考えておいてください。給食費や学外活動費も含まれていますから、ここから別途発生する大きな負担はないでしょう。余談ですが、エリート育成で有名な慶応大学幼稚舎の費用ですが参考までに見ておきましょう。「慶応大学幼稚舎の学費」…流石エリート校ですね。そういう希望がある場合は覚悟しておいてください。
続いて保育園を見ていきます。認可保育園については基本的に無償であることはお伝えした通りです。かかっても、公立幼稚園の費用と大きくは変わらないのではないでしょうか。問題は認可外保育園です。こちらについては各保育所の任意の金額設定となっており、①何歳児か②保育(預ける)時間③週何日か等で、金額設定がされていきます。
こちらについては近くの保育所を調べてみるといいと思いますが、料金の目安をホームページに記載していることも多いです。私のすまいの近くでしらべてみたところ、5~8万円/月くらいが一般的な金額でした。ちなみに住んでいる自治体によっては別途補助を行っているケースも多いため、確認してみてください。これを仮に保育料7万円/月とすると、
認可外保育園:7万円/月-国家補助3.7万円/月-(あれば自治体補助)=3.3万円/月
となります。これに加えて入園料や、給食費、活動費等の雑費はかかってきますから、それなりに費用負担は覚悟しておいた方がよさそうですね。
0歳~2歳までの子供を預けたい場合・・・
実際仕事に努めている場合等、都合上どうしても子供を見ていられない、せめて2歳から預けたいなんてケースもありますよね。その場合どうなるんでしょうか。
~2歳までは全額自己負担
ここで気を付けなければならないことは、無償の対象外となってしまうということです。無償化の対象となる子供は3~5歳には適用されないため、全て自己負担となります。幼稚園、認可外保育園については無償化されない本来の金額で支払いが必要となりますが、問題は認可保育園の場合です。こちらについては完全無償化となってましたが、自己負担となる場合、世帯年収に応じて支払いの金額が変わります。
それでは実際どれくらい金額が必要になるのか確認してみたいと思います。ここでは神奈川県川崎市の保育料料金額表を例に見ていきたいと思いますが、リンクを見て頂いていくら払えばいいのか正直よくわからないと思ったのではないでしょうか。市民税の納付金額が計算基準となっているから年収でいくらかだとよくわかりませんよね。正直各自治体によって保育料の計算方法が違うことやそれに対しての保育料金が違うため、正確なことは言えません。
ざっくりですが、川崎市の場合であれば所得税、住民税の計算をした際の課税所得金額の6%程度となります。住民税の納付金額がわかる家庭の場合は住民税に6/10をかけてもよいかもしれません。会社に勤務している方は、毎年5〜6月に郵送などで届く「市町村民税・県民税特別徴収税額通知書」の項目の中から、市長村民税の「所得割額」の項目を探してみてください。
こちらの記事で計算したモデルケースの家庭の場合では、ご主人の市民税額が約16万ほどになります。奥さんは育児手当の給付金を受け取っている状況ですので、そちらについては市民税は掛からないこととなってます。そこから計算した川崎市の保育料は
第一子:41,200円/月 第二子:20,600円/月
となります。た、高い・・・。ちなみになぜ川崎市を選んだかというと、川崎市の保育料は全国でもトップクラスに高いと言われているためです。実際にはモデルケースと同じ状況の方でも、お住いの自治体によってはもう少し安くて済むかもしれません。
ちなみに年収が少なく、もしくは育児手当だけの世帯で住民税非課税世帯となる場合は認可保育園は無償、認可外は4.2万円/月を上限に無償化されます。
モデルケース家庭に落とし込む
ここまでで、幼稚園や、保育園にかかる教育費を見ていきましたが、モデルケースの家庭に落とし込んでいったらどのようになるのでしょうか。
- ①ご主人様(35歳)大卒~65歳まで勤め上げて定年退職予定
- ②奥様(32歳) ご主人様と同様
- ③長女(3歳) 現在は認可外保育園7万円/月に通う
- ④長男(0歳) 2歳から認可保育園に入園予定。
こちらの家庭で想定をしていきますが、プラスの条件として①共働き世帯のため、どちらも保育園に入園②保育料以外にかかる別途費用を1万円/月と想定。また、川崎市には年収に応じて2歳児までに保育園の入園補助が所得に応じて1万もしくは2万円/月があります。また3歳以降も5,000円/月は補填してくれますので、それを考えたらそこまで高くないかもしれませんね。
これらを想定して試算をしていきましょう。結果がこちら。
保育園等長女は1月あたり、認可外保育料7万円/月+その他保育雑費1万円/月-国補助3.7万円-自治体補助0.5万円/月=3.8万円/月(45.6万円/年)となりました。この家庭の場合は保育園にかかる総額は137万円ほどになりそうです。
次男については2歳では自己負担の保育料が高額ですが、3歳以降は認可保育園に通っているためそれほどではありません。総額では56万円ほどに収まりました。
ここまでで私立、公立の幼稚園、認可、認可外の保育園に入るかによって費用が変わってくることをみて頂けたかと思います。どこに何歳から入園させるか、まずは家族の状況を確認したうえで考えてみるとよいかもしれませんね。どれくらいかかるか、どれくらい補助をしてもらえるかがわかれば不安は解消されると思います。
なお小学校以降についても金額の設定が入っておりますが、こちらは次回以降に調整をしていこうと思います。
コメント